保冷バッグの時間
どうも、
保冷バッグの保冷時間を信じすぎる女、ミサキです。
スーパーの
レジ横に、
保冷バッグが
積んである。
「保冷時間
約三時間」
三時間。
買う。
家から
スーパーまで
歩いて
二十分。
買い物に
四十分。
帰りに
二十分。
合計、
一時間二十分。
余裕だ。
余裕すぎて、
帰りに
寄り道する
つもりまで
あった。
肉と
魚と
アイスを
入れる。
ファスナーを
閉める。
店を出る。
……ここで、
スマホが
鳴る。
子どもの
学校から。
急ぎではない
連絡だった。
が、
折り返して
話している間に、
駐輪場の
ベンチに
座っていた。
十五分。
そのあと、
隣の
ドラッグストアに
寄る。
洗剤を
買う。
保冷バッグを
腕に
かけたまま。
合計、
三時間十分。
三時間は、
十分
超えていた。
家に着く。
靴を
脱ぐより先に、
バッグを
開ける。
アイスが、
とろけている。
保冷バッグの時間。
三時間の
保冷は、
三時間
きっかり
ではないらしい。
「約」が
ついていた。
取り出す。
箱の
角が
やわらかい。
スプーンで
食べる。
おいしい。
肉と魚は、
冷たかった。
アイスだけ
負けた。
アイスは、
三時間分の
仕事を
しなかった。
ではまた。
「約三時間」の「約」は、
私の側につけるものだった。
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