三日目のページ
どうも、
新しい手帳の三日目で終わる女、ミサキです。
書店の
文具の棚。
来年の
手帳が
並び始めている。
毎年、
この時期に
並ぶ。
毎年、
一冊
買う。
今年は、
見ないふりを
するつもりだった。
仕事の
帰りに、
緑の表紙と
目が合った。
レジで
私が
ピッ、と
自分の手帳を
通す。
店長が
通りすがりに
言う。
「ミサキさん、
今年は
続くといいね」
去年も
その前も、
言われた。
家に帰る。
袋から出す。
ビニールを
はがす。
ぱらぱらと
めくる。
一月、
二月。
白い。
全部、
白い。
ここから
十二か月
書くのか。
始めるのは、
一月からに
するか、
今日からに
するか。
一月までは
二か月ある。
今日からに
する。
一日目。
ペンを
持つ。
今日の
予定を
書く。
「パート」
一行で
終わった。
二日目。
「パート
スーパー」
二行。
三日目。
ペンが
止まる。
昨日、
何を
書いたか
覚えていない。
三日目のページ。
前の日を
めくる。
ある。
一行ある。
安心して、
今日の
ページに
戻る。
何も
書くことが
ない。
ペンを
置く。
翌週。
手帳は
引き出しの
一番奥に
入っていた。
去年の
手帳も
その隣に
あった。
開く。
三月の
真ん中で
終わっている。
白いページが
九か月分、
残っている。
ではまた。
手帳は、
毎年
三月に
私より先に終わる。
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