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家の中の小事件

一枚目

ゴミ袋の
ロールを、
新しく
おろす。

どうも、
ゴミ袋の一枚目だけ必ず破く女、ミサキです。

箱から
ロールを出す。

四十五リットル。

三十枚入り。

三十枚あれば、
一か月は
もつはず。

中の
芯の
横に、
端が
ある。

ここまでは
いい。

端を
つまむ。

引く。

一枚目が
出てくる。

ミシン目の
ところで
ちぎる。

……ちぎれない。

隣の
袋とくっついて、
一緒に
伸びてくる。

二枚、
三枚。

引っぱる
力を
強くする。

ビリッ。

ミシン目では
ない
場所で
破れた。

一枚目は、
破れた。

毎回、
そうだ。

この家に
新しいロールが
おりた日は、
必ず
一枚目が
破れる。

一枚目。

破れた袋を、
ゴミ箱に
かける。

かけたところで、
下が
大きく
裂けている
のがわかる。

かけた
意味がない。

袋を
一枚
捨てるために
袋を
一枚
使う。

これは
何なのか。

三十枚の
はずが、
二十九枚に
なった。

二枚目を
出す。

ロールを
両手で持つ。

息を、
止める。

今度は
慎重に
引く。

ちぎれた。

きれいに
一枚だけ
出た。

ゴミ箱に
かける。

ぴったり。

……なぜ、
一枚目だけ。

そこへ
犬が
来る。

さっきの
破れた袋を
くわえて
走っていく。

袋は
犬のおもちゃに
なった。

ではまた。

三十枚入りは、
二十九枚入りになった。

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