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家の中の小事件

端はどこ

どうも、
セロテープの端を一生見つけられない女、ミサキです。

夜。

子どもの
学校に出す書類を
封筒に入れる。

のりは、
乾いていた。

セロテープで
留めよう。

引き出しから
テープ台を出す。

ロールの
端を、
探す。

ロールの
端を、
探す。

ない。

指先で
なでる。

何も
引っかからない。

爪で
なぞる。

透明な面が
つるんと
続いている。

さらに、
なぞる。

一周した。

端が
見つからない。

テープ台の
カッターの歯で
切った跡が
あるはず。

それも、
ない。

誰かが
きれいに
切ったらしい。

誰か。

うちで
セロテープを使うのは、
私と、
夫と、
子ども。

ここで、
ロールを
目に近づける。

光に
当てる。

斜めから
見る。

かすかに、
段差。

そこだ。

爪を立てる。

めくれた。

五ミリ。

五ミリだけ。

端はどこ。

引っぱる。

斜めに裂ける。

やり直す。

裂けた
先に、
また端がない。

結局、
十五分かけて
封筒を
一つ閉じた。

書類は、
三枚。

封筒は、
あと二つある。

子どもが
通りかかる。

「ママ、
まだやってるの」

「まだ」

子どもが
ロールを
手に取る。

爪で、
ぺり、
と一発で
端を出した。

「ここ」

……ここ。

私が
十五分探した端は、
子どもの爪の
下にあった。

ではまた。

残りの二つの封筒は、
子どもに
頼んだ。

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