あると思った
冷蔵庫のドアポケットを信頼しすぎて
毎回裏切られている女、ミサキです。
今朝も、
牛乳がある前提で
コーヒーを淹れはじめた。
お湯は沸いた。
カップも温めた。
気分も、わりと整っている。
で、
ドアを開ける。
……ない。
正確には、
「あると思っていた場所」にはない。
野菜室。
謎のタレ。
期限切れ一歩手前のヨーグルト。
冷蔵庫は今日も
情報量だけは多い。
ここで一瞬、
「誰だ、使ったの」
という感情が立ち上がる。
でもすぐ、
犯人が自分である可能性が
ぬるっと浮上する。
昨日の夜。
中途半端に残った牛乳。
入れた“つもり”。
つもり界隈は、
だいたい信用ならない。
結局、
ブラックで飲む。
美味しいかと言われると、
そうでもない。
でも、
朝から誰とも揉めなかったし、
冷蔵庫に八つ当たりもしなかった。
……成長か?
いや、
ただの回収能力の向上かもしれない。
ではまた。
「あると思った」は
確認するまで存在しない。
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