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街とお店で

手土産に化ける

どうも、
自分用の一輪が毎回消える女、ミサキです。

駅前の花屋の前で、
足が止まった。

理由は特にない。

ただ、
今日は一輪だけ買って帰ろう、
と思った。

自分のために花を買う女。

急に、
丁寧な暮らしをしている人みたいで、
少しキラメイタ。

店に入る。

十分後。

私の手には、
束が二つあった。

一つは、
週末に行く実家用。

もう一つは、
先週お菓子をもらったお返し用。

……あれ。

自分の一輪は、
どこにいった。

予算の中で、
静かに押し出されていた。

レジで、
店員さんが言う。

「素敵な選び方ですね」

素敵なのは私ではなく、
私の中の
「誰かに渡す用」の回路だ。

その回路だけ、
やたら性能がいい。

自分用の枠だけが、
毎回いちばん先に削られる。

帰り道、
両手がふさがっていた。

どっちも、
私の家には残らない花だった。

ではまた。

一輪だけ買うつもりだった花は、
二束になって、全部よそへ行った。

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