センサーの外
どうも、
自動ドアに存在を認めてもらえない女、ミサキです。
スーパーの入口。
両手に、
エコバッグ。
ドアの前に立つ。
開かない。
立つ。
開かない。
一歩、
下がる。
開かない。
私は今、
ドアの前で
静止している。
静止しているから
感知されないのか。
それとも
そもそも
薄いのか。
ここで
手を振る。
両手が
ふさがっているので、
肘を振る。
開かない。
中から、
買い物を終えた
おばあさんが
出てくる。
すー。
ドアが、
おばあさんのために
全開になる。
私の顔の前を
おばあさんが
通り過ぎる。
ドアは、
まだ開いている。
その隙に
入る。
入れた。
入れたが、
これは
おばあさんの
おこぼれだ。
後ろから、
別の男性が来る。
すー。
その人にも、
開く。
なぜ。
一番前にいたのは、
私だった。
思い返すと、
このドア、
前にも
やられている。
あのときは
出口だった。
ドアの前で、
足踏みして、
ジャンプまでした。
今日は
肘。
進歩は
ない。
私は、
あの小さな四角い目の
外側にいる。
センサーの外。
帰って、
子どもに話す。
「ドアが、
開かなかった」
お菓子を食べながら、
子どもが言う。
「ドアの真ん中に
立ってないんじゃない?」
真ん中。
思い返す。
私は、
ドアの端に寄って
立っていた。
後ろの人の
邪魔にならないように。
翌日。
同じスーパー。
ドアの
ど真ん中に、
立つ。
すー。
開いた。
あっさり。
あの小さな目は、
ずっと
私の斜め横を
見ていたらしい。
ではまた。
ドアの前でも、
端に寄っていた。
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