時間のしおり
どうも、
引き出しの奥から
人生の時系列を殴ってくる物が出てきがちな女、ミサキです。
今日の被害者は
嵐のキーホルダー。
まず言わせてほしい。
なぜ
キーホルダーって
生き残るの?
引っ越ししても
断捨離しても
「また会ったね」みたいな顔で
必ず現れる。
しかも今回のやつ、
ちゃんと嵐。
五人。
全員。
並んでる。
一瞬で
時間が巻き戻る。
これを持ってた頃の私、
たぶん
今より声が一音高い。
朝の情報番組で
「嵐」って言葉が出ただけで
テレビに近づいてた。
友達との会話。
「誰担?」
この質問が
人間関係の入口だった時代。
で、
その象徴が
このキーホルダー。
正直、
今の生活に
一切必要ない。
鍵は
スマートキー。
バッグは
ミニ。
キーホルダーを
ジャラつかせる余地、
ゼロ。
なのに
捨てられない。
なぜなら
これ、
思い出を殴ってくるタイプだから。
持った瞬間、
手触りが
完全に当時。
あの頃の
ライブ前の緊張。
グッズ列の暑さ。
トイレの異常な混雑。
全部
一気に来る。
怖いのが、
「懐かしい〜」
じゃ終わらないところ。
一瞬だけ
本気で考える。
「これ、
今の鍵につけたら
どうなる?」
脳内シミュレーション開始。
職場で鍵出す私。
ジャラ。
嵐。
同僚の視線。
優しい沈黙。
あ、
これは
説明が必要なやつ。
しかも
説明が一番だるいタイプ。
「昔、好きで…」
から始まる
自分語りが
不可避。
だから
戻す。
そっと。
引き出しに。
でも
閉める前に
もう一回見る。
やっぱり
よく出来てる。
安っぽいのに
ちゃんとしてる。
当時の
「これで十分」
っていう満足感が
そのまま残ってる。
ここで
気づく。
これ、
キーホルダーじゃない。
時間のしおり。
人生の
あるページに
挟まってるだけ。
今の私が
使うものじゃない。
でも
消すものでもない。
たぶん
この先も
引っ越すたびに
出てくる。
そして毎回、
同じことを思う。
「私、
ちゃんと生きて
ここまで来たな」
どうも、
嵐のキーホルダーで
自分の年輪を確認する女、
ミサキでした。