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家の中の小事件

ちょうどいいところ

どうも、
「あと二十秒」を何度も足す女、ミサキです。

昼。

冷凍していたご飯を、
レンジに入れる。

パッケージには、
「五百ワットで二分」
と書いてある。

見たけれど、
一分にする。

一分。

ピッ。

ブーン、
と回る。

チン。

取り出す。

ラップを、
そっと外す。

蒸気が上がる。

真ん中を、
指で押す。

冷たい。

ご飯の山の、
北側だけ。

もう一回入れる。

二十秒。

チン。

今度は、
端が熱い。

触れない。

でも北側は、
まだぬるい。

もう一回。

二十秒。

あと二十秒。

何度、
足せばいいのか。

最初から二分にすれば
いい。

わかっている。

でも二分は、
なんとなく怖い。

だから
小刻みにする。

一気に二分にした自分を、
想像する。

取り出す。

白い岩になっている。

想像の中でさえ、
ご飯が気の毒だ。

小刻みにした結果、
四回。

合計は、
二分四十秒。

取り出す。

端が、
カチカチ。

真ん中は、
熱い。

ちょうどいいところが、どこにもない。

夫が通りかかって言う。

「最初から二分でよくない?」

そうなんです。

茶碗に移す。

カチカチの部分を、
最後にまとめて食べる。

ではまた。

あと二十秒は、
だいたい多い。

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